ジュリーニ シカゴ交響楽団のマラーラー交響曲題9番2015年11月11日

Gustav Mahler/Symphony no.9 D major/Carlo Maria Giulini Chicago Symphony Orchestra DGG
Gustav Mahler/Symphony no.9 D major/Carlo Maria Giulini Chicago Symphony Orchestra
マーラー作曲交響曲第9番ニ長調、カルロ=マリア・ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団 1976年録音(DGG)

マーラーの演奏は、ともすれば色彩やダイナミズムを強調した派手な演奏になりがちですが、この演奏はそのような派手さはありませんが品の良い演奏です。ジュリーニ自身の温もりや優しさを感じさせる演奏で、各フレーズは良く歌いながら、丁寧に音を紡ぎ出しています。
シカゴ交響楽団もショルティの指揮とは、全く違う表情を見せています。音楽に真摯に対峙するジュリーニの指揮にオケもしっかりと応え、ジュリーニもオケの機能美や各パートの名人芸を上手に引き出し、造形のしっかりした音楽を作り出しています。
また、9番には声楽パートはありませんが、各楽器のソロはあたかも人が歌っているような趣があります。若い頃から、オペラを指揮していた経験が活かされているのでしょう。
1970年にウィーン交響楽団と来日公演で聴いた、モーツアル40番と41番には、五月の爽やかな風を感じました。