Decca Classical discography, 1929-20092015年11月01日

デッカ盤のレーベル
素晴らしい資料です。イギリスデッカ社の1929年から2009年までの全録音が網羅されています。次のURLで閲覧できます。
URL http://www.charm.rhul.ac.uk/discography/decca.html
録音をした地域や国別ごとに録音年月日順に掲載されています。
内容は、曲目・演奏者・録音年月日・ホールやスタジオなどの録音会場・プロデューサー・エンジニア・初回盤からの主なレコード番号(国別に網羅)レコードに入れた曲のカップリング、その他に録音会場の説明などもあり、至れり尽くせりの資料です。

例えば、1955年録音のモーツァルト作曲「フィガロの結婚」エーリッヒ・クライバー指揮ウィーン・フィルハーモニーでは、次の内容が記載されています。
>V086;←ウィーン録音の86番目
Pr: Victor Olof & Eduardo Pedrazzoli (m) Eng: Cyril Windebank (m) ←モノラル録音のプロデューサーPrとエンジニアEng
Pr: Peter Andry (s) Eng: James Brown (s) ←ステレオ録音のプロデューサーとエンジニア
21-27 Jun 1955 Redoutensaal, Vienna ←録音年月日と録音会場
Vienna State Opera Chorus, ←合唱
Vienna Philharmonic Orchestra, Erich Kleiber←オケ・指揮
MOZART Le Nozze di Figaro K492 ←曲目
Alfred Poell (baritone) Count Almaviva ←歌手、以下同じ
Lisa Della Casa (soprano) Countess Almaviva
Hilde Gueden (soprano) Susanna
Cesare Siepi (bass) Figaro
Suzanne Danco (soprano) Cherubino
Hilde Rössl-Majdan (mezzo-soprano) Marcellina
Murray Dickie (tenor) Don Basilio
Hugo Meyer-Welfing (tenor) Don Curzio
Fernando Corena (bass) Doctor Bartolo
Harald Pröglhöf (bass) Antonio
Anny Felbermayer (soprano) Barbarina
(Oct55) LXT5088-91 = (Feb59) SXL2087-90;←(イギリスDecca初出年月)モノラルLP番号、ステレオLP番号
(Jan56) LL1309-12 = XLLA35 = (Sep58) OSA1402, ;←(アメリカLondon初出年月)モノラルLP番号、ステレオLP番号
(Nov89) 417 315.2DM3.;←(初出年月)CD番号

また、エーリッヒ・クライバーのエロイカは、ステレオ録音についての記載があります。
>V080
Pr: Victor Olof & Peter Andry Eng: Cyril Windebank & Gil Went (m),
The stereo tape was wiped at Arthur Haddy’s direction. Roy Wallace (s) ←ステレオ録音をしたマスターテープを消去したこと
11-14 Apr 1955 Grosser Saal, Musikverein, Vienna
Vienna Philharmonic Orchestra, Erich Kleiber
BEETHOVEN Symphony No.3 in E flat Op.55 “Eroica”
(nr ’55) LXT5064, evidently rejected before release,
(Mar59) ACL35; (May59) B19051, (May86) 414 626.2DH.

このような資料は、他のレコード会社の録音にはありません。大変な労力と時間をかけて調査し、作成した資料がpdfファイルでインターネット上に公開されていること、しかも閲覧やダウンロードが自由にできることは素晴らしいことです。
作成したPhilip Stuart(フィリップ・スチュワート)氏に敬意を表します。

STAX DA-80 A級ツインモノラルDCアンプ2015年11月02日

STAX DA-80 A級ツインモノラルDCアンプ
しばらく使っていなかったSTAX DA-80の点検をしました。問題なく動作しています。1976年の発売で、発売を待って購入したアンプです。およそ40年前のアンプです。
DA-80に先行してモノラルアンプDA-80Mが、発売しています。2台でおよそ50万円は、高かったですね。当時、休日には雑司ヶ谷にあったSTAX本社へよく通っていました。創業者(社長)の息子で専務?さんから、「発表はまだだけどDA-80 A級ツインモノラルアンプを販売するので、無理してDA-80Mを2台購入しなくても良いのでは、弊社は値引きできないので。」とアドバイスを受けました。
当時からSTAX社は、定価販売が基本で値引きは一切ありません。どのオーディオ店でも同じ値段です。私が購入したのは、クレジット販売の丸井(○1○1のクレジット)で、当時父の勤務先の互助会の指定店で、現金購入なら何でも15%OFFになるため、父に頼んで取り寄せて購入しました。40,000円ちょっとの値引きは、大きかったですね。
A級45W+45WツインモノラルDCアンプ構成は、モノラルアンプ2台を1つのボディに入れただけ。電源ケーブルとスイッチが共通で後は、電源トランスから出力まで完全に独立したモノラルアンプです。
素直で色づけのないハイスピードサウンドは、現代のアンプと比較しても遜色はありません。今時この値段でこれだけの性能のアンプはできないでしょうね。これからも大事に使いたいと思います。
<基本性能>
型式:ステレオパワーアンプ
回路方式:A級動作 DCアンプ
初段FETによるピュア・コンプリメンタリー方式
左右独立±4電源(合計8電源)
実効出力:45W+45W
パワーバンド幅:5Hz~50kHz -3dB(THD 0.1%)
全高調波歪率(8Ω、45W出力時):0.0025%(1kHz)、0.005%(DC~10kHz)
ダンピングファクター:600(1kHz、8Ω)
SN比:100dB以上
入力感度/インピーダンス:0.89V/100kΩ/100pF
周波数特性(1W出力時):DCオペレート・DC~500kHz +0 -3dB、ACオペレート・3Hz~500kHz +0 -3dB
利得:26.3dB
負荷:2Ω以上(音楽再生時)、4Ω以上(テスト時)
スルーレイト:20V/μsec
位相差:+0゜ -3゜(0~10kHz)
クロストーク:-90dB以下(1kHz)
最大入力電圧:50V(AC/DC共)
電源ドリフト:±3mV(±10%)
時間ドリフト:±25mV(スイッチON後、約10分で安定)
温度ドリフト:±10mV(0℃~40℃)
信号源ドリフト:検知不能
使用温度範囲:0℃~40℃
ショート保護回路:2Ω以下で動作
スピーカー保護回路:約±5Vで動作
温度保護回路 トランジスタ・ケース温度:約120℃で動作
アイドリング電流ドリフト、スイッチon後:約130%、スイッチoff後10分:100%
アッテネーター:0dB、-10dB、-20dB、-∞
使用半導体 デュアルFET:2個。デュアルトランジスタ:2個、トランジスタ:27個、ブリッジダイオード:4個。ダイオード:20個
電源電圧:100V/117V、±10%
電源周波数:48Hz~62Hz
消費電力:320W
外形寸法:幅437×高さ163×奥行407mm
重量:19.5kg

続 Decca Classical discography, 1929-20092015年11月02日

sample
Decca Classical discography, 1929-2009のpdfファイル5.4MBをダウンロードして、資料として使っています。
一つ問題があります。pdfファイルを開くため、必要な時にすぐに見られないことです。

パソコンを起動して、ファイルを開き、キーワードを入力し、検索するため、目的の情報に到達するまで時間がかかります。iPadにファイルを入れても同じことで、メリットは持ち運べることです。

一方では紙ベースの方が検索が早いことがわかります。そこで、ファイルを全て印刷しました。片面印刷で1428ページを全て印刷することは、レーザープリンターを使ってもさすがに時間がかかりました。さらに、印刷したページをA4サイズの大きいバスケットに入れ、大型ファイル2冊に綴じ込んで、調べ物などに使えるようにしました。デジタル資料と印刷した資料を併用することで調べる時間が随分短縮され、効率よく調べられます。

William Steinberg Mozart Symphony No.402015年11月03日

Mozart Symphony No.40 K.550 , Eine Kleine Nachatmusik K.525 William Steinberg / Pittsburgh Symphony Oracestra
Mozart Symphony No.40 K.550 , Eine Kleine Nachatmusik K.525 William Steinberg / Pittsburgh Symphony Oracestra

ピッツバーグ交響楽団は、ペンシルベニア州ピッツバーグ、ハインツ・ホールを本拠地として活動しているオーケストラです。ドイツ的な重厚なサウンドが特徴です。1895年設立1910年に一度解散し、1926年に再結成しました。およそ10年のブランクがありますが、今年は創設120年です。解散前にはエルガーやR.シュトラウスが客演したこともあります。再結成後、音楽監督にオットー・クレンペラーが就任し、客演もヨーロッパ系の指揮者が多いオケです。

ウイリアム・スタインバーグは、およそ四半世紀24年間(1952年〜1976年)の長期間音楽監督を務めています。彼は、1899年ドイツ生まれで、1933年ナチスにより引退を余儀なくされ、パレスチナに渡り、現在のイスラエルフィルハーモニーの創設者の一人です。ピッツバーグ交響楽団の重厚なサウンドは、クレンペラーとスタインバーグによって作られたとも言えます。
1973年だったと思いますが、スタインバーグと来日したコンサートで聴いたブラームスのかちっとした重厚な演奏は、今でも覚えています。

このレコードは、元々アメリカのキャピトルレコードが録音した音源を、提携関係にあったイギリスのEMIが、プレスし発売したものです。キャピトル盤よりも落ち着いた音のレコードです。
1957年10月29日、シリア・モスク、ピッツバーグ、ステレオ録音ですが、このレコードはモノラルカッティングです。当時ステレオとモノラルは、平行して録音していたため、オリジナルモノラルです。録音は明瞭で、聴きやすいです。

ドイツ的な重厚なサウンドを活かしながら、かちっとしたモーツァルトです。重苦しい感じはありませんね。木管と金管のバランスもとれ、よく鳴っています。特に包み込むようなホルンの響きが印象的です。フィナーレ途中からややアッチェルランドが効果的で演奏に躍動感を持たせ、曲を締めくくっています。アイネクライネは、ピラミッドサウンドの弦により、シンフォニックな仕上がりです。大きな編成は、ややもすれば重苦しくもたれた演奏になります。しかし、そのようなことは全く感じさせない演奏です。二曲ともさっそうとしたリズム・テンポで聴き終えて、爽快感が残る演奏です。

レコードの日2015年11月03日

レコードの日
今日、11月3日は、「文化の日」日本全国で文化的なイベントが開催されています。また、今日は、「レコードの日」でもあります。ここ数年LPの新譜が発売され、旧譜の再発売も含め、数が増えていますね。
レコード屋(一時期、死語になりそうでした。)の一つ、タワーレコードでは、イベントを開催しています。興味のある方は覗いてみては、いかがでしょうか。
http://tower.jp/article/feature_item/2015/11/03/0701

こんな記事もあります。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11993176.html

「レコードの日」開催 東洋化成 代表取締役社長 萩原克治氏インタビュー
http://yukan-news.ameba.jp/20151023-69/

ショパン ポロネーズ集 マウリツィオ・ポリーニ(pf)2015年11月04日

F Chopin Polonaises Maurizio Pollini(pf).DGG
F Chopin Polonaises Maurizio Pollini(pf)
ポリーニ(pf)が演奏するショパンのポロネーズ集、Op.26,No.1、No.2、Op.40,No1、No.2、Op.44、Op.53、Op.61を1975年11月ウイーンで録音したLPです。1942年1月5日生まれですから、当時33歳と若いですね。
1974年に初来日、その演奏会を聴いてダイナミックだが緻密な演奏は、科学的な趣を感じました。初来日は、満席ではなかったと記憶しています。後年知ったことですが、彼は1960年のショパンコンクールで優勝した後、10年くらい演奏会を控えていた時期にミラノ大学で物理学を学んでいたそうです。何となく納得!

オイレンブルクのスコア2015年11月05日

Dvorak Symponie no.5 Brahms Symponie no.5
古いオイレンブルク(Eulenburg)社のスコアを入手しました。1冊100円(税込)は、安いと思います。最新版ではありませんが、曲が曲なので違いはないと思います。
ドボルザークの交響曲の「新世界より」が、第9番ではなく第5番と表記されています。古いものですね。

THE MANHATTAN TRANSFER EXTENSIONS2015年11月06日

THE MANHATTAN TRANSFER EXTENSIONS
THE MANHATTAN TRANSFER EXTENSIONS
たまには、ジャズを聴こうということでこの1枚を出しました。
Side1.BIRDLAND / バードランド、WACKY DUST / ワッキー・ダスト、NOTHIN' YOU CAN DO ABOUT IT / 貴方には、何も出来ない、COO COO U / クー・クー・ユー、BODY AND SOUL / ボディ・アンド・ソウル
Side2.TWILIGHT ZONEBIRDLAND / バードランド/TWILIGHT TONE/トワイライト・トーン、BIRDLAND / バードランド、TRICKLE TRICKLE / トリックル・トリックル、SHAKER SONG / シェイカー・ソング、FOREIGN AFFAIR / 異国の出来事
録音:1979年
ちょっとフュージョン的なジャズで、どの曲もマントラらしい切れの良いボーカルです。バックミュージシャンでは、ジェイ・グレイドンのギター演奏が印象的ですね。
このLPは、USA盤です。当時、アトランティックレコードは、アメリカでカッティングをして。プレスは西ドイツだったと思います。ジャケットはアメリカ印刷です。資料が見つからないので断言はできません。あくまでも記憶の範囲です。

レコードのクリーニングついて その12015年11月07日

レコードクリーナー(オーディオテクニカ)
レコードをお持ちの方は、スクラッチノイズ(チリ・パチなどのノイズ)が取れないものがあるのではありませんか。ごみやこびりついたカビやビニ焼けなどがノイズの原因です。また、傷などの物理的なダメージもノイズの原因です。
レコードクリーナーは、方法や材質・形状の違いにより何種類もあります。一般的には表面を拭き取る布(ベルベット)製クリーナーをよく使用します。このクリーナーで表面を拭いてもごみは残ることが多く、スプレーなどを併用する方もいます。
しかし、肉眼で見えるごみを拭き取ってもスクラッチノイズがほとんど変わらないことが多いです。肉眼ではほとんど班別できない微小なごみが、音溝の底に付着して取れないため、針先がトレースする際にぶつかったり乗り越えるとスクラッチノイズになります。
ベルベットの繊維は、レコードの音溝の幅や深さに対して1桁太いため、音溝でも盤面に近いところしか届きません。布ですから詰まったごみを掻き出すには繊維が柔らかいです。つまり、布製クリーナーは、盤の表面のごみを取る程度です。(つづく)

フランソワ=ルネ・デュシャーブル(P)のショパン2015年11月08日

F Chopin 4 Ballades, Polonaise Op.53, Op.61 François-René Duchâble (pf)
F Chopin 4 Ballades, Polonaise Op.53, Op.61
François-René Duchâble (pf)
ショパン作曲、ポロネーズ第6番、バラード第1番〜第4番、幻想ポロネーズ、フランソワ=ルネ・デュシャーブル(P)
録音1983年4月

1952年生(今年63歳)のデュシャーブルの32年前の演奏を久しぶりに聴きました。今でも斬新なショパンですね。ほぼ同世代のジャン=フィリップ・コラール、ミシェル・ベロフやパスカル・ロジェとは、また違う個性の持ち主でシャープさと柔らかで温かさを備えたピアニストです。フレーズによって様々表情を見せ、贅肉のないスマートなピアノですが、線が細くはならず重心は低く重量感や安定感のある演奏は今でも新鮮です。私の好きなピアニストの一人です。

音楽の商業主義に反対し、2003年の引退の際、ヘリコプターに吊るしたグランドピアノを池に落下したことに驚かされました。現在は、商業的な演奏会は行なわず、小さな演奏会を自ら主催し、ホールの他にも教会、学校、病院など様々なところで演奏しています。また刑務所でも演奏しているそうです。

個人的には、いわゆるフランス人(フランス系)ピアニストの概念にはあてはまらないと思います。