about LP2015年09月01日

ブルーノ・ワルター指揮コロムビア交響楽団 ワーグナー序曲・前奏曲集
 私は、音楽が好きです。コンサートにもよく出かけます。普段、音楽を聴くときは、CDやDVD、レコードなどを利用しています。特に子どもの頃から、レコードで音楽を聴いているので、レコードが大好きです。
 現在、音楽を記録しているメディアといえば、CDやDVDなどのデジタルディスクが主流で、LPやEPなどのアナログディスクは音楽の記録メディアとしては、マイナーと思われています。
 しかし、今でもコレクションしたレコードで、音楽を楽しんでいる方が、たくさんいます。少数ですが、新しくプレスしたレコードも発売され、中古レコードを含めるとかなりの数が、社会に流通しています。
 さて、子どもの頃から、身近にあって親しんだレコードですが、私自身レコードについて知らないことやわからないことが、まだまだあります。レコードについて書かれている本を読んでも?と思うことがあります。
 そこで、レコードに対する知識を深め、疑問を解決するために、アナログディスクというメディアについて研究を始めました。実際に研究を進めていくと、レコードのより良い再生方法やレコードのメインテナンス・保管方法から、オーディオやレコードに記録されている音楽まで、研究が広がってきました。
 このブログは、オーディオやレコードについてのさまざまな研究結果や考察を発表するものです。アナログディスクで音楽を聴いている方やこれからアナログディスクで音楽を聴いてみようと思っている方など、アナログディスクに興味関心のある方の一助となれば幸いです。

LPの溝(音溝)について2015年09月03日

引用文献「コンパクトディスク読本」中島平太郎・小川博司(オーム社, 1982年)
 LPやEPレコードの音溝は、溝の底を基準として、左右に45°で、90°のV字に開いています。まるでV字谷のようです。
参考文献によると音溝は、モノラルLPで、55μm(マイクロメーター、1μm=0.001mm)前後です。一般にステレオレコードの音溝の幅は、40~160μm(25~150μm)、深さは、20~80μm(12~75μm)、間隔は、60~200μmくらいです。
 レコード針の先端は、モノラル用針先の球面半径rで1mil(1ミル=0,001インチ、およそ25μm)、ステレオ用は0.7ミル(およそ18μm)でした。その後、モノラルカートリッジの針先の球面半径は、0.7ミル、ステレオカートリッジの針先の球面半径は、0.65ミルから0.5ミル(12.5μm)と小さくなり、形状も丸針から楕円針、シバタ針、ラインコンタクト針など、音溝との接触面積が大きい針が登場しています。

バッハ 無伴奏バイオリンソナタ&パルティータ2015年09月05日

Bach ViolinSonatas&Partitas for Solo Violin BWV1001-1006 Salvatore Accardo
今、聴いているレコードです。バッハの無伴奏バイオリンソナタ&パルティータ、サルバトーレ・アッカルドの演奏は、重々しくはありません。明るくよく歌っている演奏です。

レコードプレーヤーのムシ その1 Grace F-8L2015年09月07日

Grace F-8L audio-technica LT-13
1980年代には、カートリッジが沢山ありました。MC、MM、VM、IM、MF等々、発電方式も様々でした。現在の市場では、圧倒的にMC型が多いです。
針先の寿命は、300〜500時間ぐらいというのは、メーカーの言い分です。実際のところ、きちんとメインテナンスしていれば、寿命は相当長い(10,000時間以上ある)そうです。これは、日本Victor(JVC)でカートリッジのエンジニアをしていた方(おじいちゃん、失礼!)から直接伺ったことです。
紹介するのは、Grace F-8Lです。35年くらい前に入手したもので、現役です。久しぶりに取り出して使っています。ちょっと眠っていましたが、メインテナンスしたら目覚めて、レコード再生もスムーズです。音質は、癖がなく、帯域もフラットです。録音によっては、CDみたいな音(もっと滑らかです!)がしますが、どんなジャンルの音楽でもそつなくこなす優等生ですね。
全体の形が、虫に似ていませんか。わが家には仲間もいるので追々紹介していきましょう。

リムスキー・コルサコフ作曲 交響組曲「シェラザード」2015年09月10日

リムスキー・コルサコフ作曲 交響組曲「シェラザード」トーマス・ビーチャム指揮ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団
リムスキー・コルサコフ作曲、交響組曲「シェラザード」、トーマス・ビーチャム指揮ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団、現代ではこんなエレガントで洒落た演奏をする人はいないですね。
色彩感溢れる演奏と録音です。録音場所: 03/1957, Kingsway Hall, London, England [Studio recording]ですが、年代を感じさせません。
このレコードは、1950年代後半のイギリスプレスのLPです。レーベルはHMV、ALPの1000番代のオリジナル・モノラル盤、ステレオ盤も後から出ました。1954年〜1958年頃は、同じセッションをモノラルとステレオの2チームで録音していたので、マイクアレンジも録音機も別です。
このレコードは、何故かジャケットがありません。でも、赤地に金文字で書かれたニッパーのレーベルはいいですね。
今日は、このレコードを聴きます。

ストラビンスキー作曲 ペトルーシュカ(バレエ音楽)1947年版2015年09月12日

ストラビンスキー作曲 ペトルーシュカ(バレエ音楽)1947年版 ズービン・メータ指揮ニューヨークフィルハーモニック
ストラビンスキー作曲、ペトルーシュカ(バレエ音楽)1947年版
ズービン・メータ指揮ニューヨークフィルハーモニック
1967年ロスフィルの後、1979年ニューヨークフィルとの再録音
初めて聴いたときは、明確で構成のはっきりした演奏という印象でしたが、久しぶりに聴くと、各パートが有機的で表情も豊かですが、大げさにならずやり過ぎないのがいいです。

フランソワ=ルネ・デュシャーブルのショパン2015年09月15日

ショパン ポロネーズ第6番 バラード第1番〜第4番 幻想ポロネーズ フランソワ=ルネ・デュシャーブル(P)録音1983年4月
フランソワ=ルネ・デュシャーブル(Piano)のショパン、録音1983年4月、ポロネーズ第6番、バラード第1番〜第4番、幻想ポロネーズ
1952年生(今年63歳)のデュシャーブルの32年前の演奏を久しぶりに聴きました。
スマートで重心が低く安定感のある演奏は今でも新鮮です。2003年引退の際、ヘリコプターに吊るしたグランドピアノを池に落下させたことに驚かされました。

バッハのチェンバロ協奏曲第1番と第2番2015年09月19日

バッハ チェンバロ協奏曲第1番 第2番 ジョージ・マルコム(cem)カール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団 録音1964年
今日は、バッハのチェンバロ協奏曲第1番と第2番を聴いています。演奏は、ジョージ・マルコム(cem)、カール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団、1964年(東京オリンピックの年!)の録音です。
レコードのレーベルはLONDON、番号はSXL-6101、1965年頃の初版(イギリスプレス)ですが、シールが貼ってあります。古いものなのでシールが剥がれるとDECCAのロゴがありました。
これは、アメリカ向けのレコードです。アメリカに設立した子会社のDECCAがありました。第2次大戦で資本関係がなくなり(DECCAが使えない!)、新たにLONDONレーベルで輸出をしました。最初はシールを貼っていました。その後シールを止めて、番号も変え、LONDOを印刷したレーベルにしています。
古楽器ではなく、現代楽器を使った演奏です。マルコムの飾り気のない端正なチェンバロに応えるように程よいオケの演奏、全体としてバランスの良い演奏です。変な詠い回しもなく音楽が流れ、スッキリとしています。
ミュンヒンガーの指揮は、リズムにアクセントを効かせ、重心が低く重厚でカチッとした解釈の演奏になります。しかし、このレコードは彼の解釈を控えめにしたのか、マルコムが奏でる明るいチェンバロの音色を活かした演奏になっていますね。

ユーリー・アレクサンドロヴィチ・エゴロフ2015年09月20日

Beethoven Piano ConcertoNo.5 "Emperor" Youri Aleksandrovich Egorov(pianist) Wolfgang Sawallisch(conductor) Philharmonia Orchestra
ベートーベン作曲、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」ユーリー・アレクサンドロヴィチ・エゴロフ(P)サヴァリッシュ指揮フィルハーモニア管弦楽団
ユーリー・アレクサンドロヴィチ・エゴロフ(Youri Aleksandrovich Egorov 1954年5月28日 - 1988年4月16日)は、旧ソ連のピアニスト。オランダに亡命し、西側でゲイであることをカミングアウトしています。14点の録音の1枚。協奏曲は、モーツアルトの第17番と第20番、ブラームスの協奏曲第1番と第2番がありますね。バックは、サヴァリッシュ(Wolfgang Sawallisch)指揮フィルハーモニア管弦楽団です。
演奏の特徴は、音色のコントロールが抜群で、丁寧なタッチでふわっとした柔らかい音色です。フォルテでも音量はありますが、鍵盤を強打しないため刺激的な音を全く出しません。美しく滑らかなレガートは絶品です。また、ペダリングが上手く、浅めのペダルですが、音が柔らかでふわっとした膨らみがありますね。彼に比べたらアルゲリッチは、下品極まりない演奏です。あくまでも私個人の感想ですが。
曲の解釈もしっかりしています。適切なテンポで、動きも少なく、変なアゴーギクもなく、ディナーミクもわざとらしく強調することもありません。楽譜に対して真摯に向き合っている姿勢に好感がもてます。各ピアノの良さを自分の音色として上手く引き出すタイプのピアニストです。ジャケット写真のピアノはスタインウェイ、録音で使ったのもスタインウェイ、でも写真のとは違うもの。
彼の音色とゲイは関係ないと思います。彼の演奏は好みですが、私はゲイではありません。念のために!

ベートーベン ピアノ協奏曲全曲2015年09月20日

ベートーベン ピアノ協奏曲全集 フリードリッヒ・グルダ(P)ホルスト・シュタイン指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
フリードリッヒ・グルダ(P)ホルスト・シュタイン指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のベートーベン ピアノ協奏曲全曲を聴きました。
LONDONレーベルだが、実際はイギリスプレスのデッカ4枚組です。
しかし、このレコードはアメリカ向けのオートチェンジャー盤です。一面の裏が最終面になっているため、マニュアルだと面替えが面倒です。
以前、ベートーベンのピアノソナタ全集のオートチェンジャー盤を見つけました。アメリカ人はピアノソナタ全曲を一気に聴くのでしょうかね。